遺言書がない場合

ご葬儀が終わり,初七日が過ぎると,ようやく一段落です。
 ここから,法的な相続手続となります。……というよりも,それまではドタバタして,手続どころではないのが通常でしょう。又,相続の法的手続きは,初七日が過ぎてからでも,構いません。

 さて,相続手続とは言っても,故人が遺言書を残している場合と,そうでない場合とでは,若干(?)手続きが異なります。このページでは,故人が遺言書を残していない場合を紹介します。

遺産整理

 遺言書がない場合には,遺産整理手続となります。遺産整理手続は,故人が残した全ての財産……つまり,預貯金や不動産といったプラスの財産も,借金等のマイナスの財産も……全部ひっくるめて,相続人間で分配する手続きです。

「相続人間で分配する」方法は,大きく分けて,2種類あります。
 1 法定相続
 2 遺産分割
です。

1 法定相続

 法定相続は,民法に定められた相続分(法定相続分)に応じて,故人の相続財産を分配していく方法です。
 法定相続をする場合には,法定相続人を確定し,相続財産を確定した上で,法定相続分に応じて分配していきます。

(1) 法定相続人の確定
 
 法定相続人は,戸籍によって確定していきます。従って,まずは,戸籍の収集から始まります。

 なお,法定相続人と法定相続分についてはこちら。
※ リンク「法定相続人と法定相続分」

(2) 相続財産の確定

 相続財産は,およそ次のようなものを調査して確定していきます。
  ・現金
  ・預貯金
  ・生命保険・健康保険・公的年金・労災保険・雇用保険
   →但し,純粋な相続財産ではありません。
  ・不動産
  ・株式等有価証券
  ・借金等の債務
  ・その他(自動車・ゴルフ会員権等)

次は・・・

「相続税等申告」
「遺産分配」
「各種届出」

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2 遺産分割

 遺産分割は,相続財産を法定相続分とは異なる割合で分配する方法です。
  
(1) 相続人の確定と相続財産の確定

 遺産分割により相続財産を分配する場合でも,上記1と同様,法定相続人を確定し,相続財産を調査しなければなりません。
 そのため,まず,戸籍を収集し,相続財産調査を行います。

(2) 遺産分割

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「遺産分割」と一口に言っても,遺産分割の協議と,遺産分割の調停・審判という2種類又は3種類の手続があります。

  ア 遺産分割協議(協議分割)
 遺産分割協議は,共同相続人全員の合意で,相続財産の分配の仕方を定めます。

 遺産分割協議が成立すると,遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書には,相続人全員の実印を押印した上,これに印鑑証明書を添付することになります(民法上は,要求されていませんが,預貯金の名義変更や登記手続に必要となるためです)。

 
  イ 遺産分割調停(調停分割)

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遺産分割の協議がまとまらないと,家庭裁判所に対して,遺産分割の調停を申し立てることになります。
 遺産分割の調停は,調停機関(家事審判官1名,調停委員2名)の関与の下で行う遺産分割協議と言っても良いでしょう。基本的には,合意が成立するように進められます。

  ウ 遺産分割審判(審判分割)
 調停が調わない場合には,当然に,審判手続に移行します。審判手続は,家事審判官の職権により手続が進められ,審判が下されることになります。

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